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~ 自由学舎について ~

 身体が小さい、気が弱いなど自分に自信のない子はいませんか。「柔よく剛を制す」この言葉を知っていますか。たとえ相手に力負けしていても、柔道の極意を知れば勝つ方法はいくらでもあります。

 柔道の創始者・加納治五郎(かのうじごろう)先生は、少年時代から身体が弱く、何とか強くなりたい!と修業を始め、身体と精神の鍛錬と教育を目的に柔道を開かれました。

 その柱は二本。「精力善用」と「自他共栄」です。

 

 人を鍛えて人を作る。これこそが本来あるべき姿ではないでしょうか。知識を得ることも大事なことですが、困難に立ち向かい、くじけずに続けてゆく、乗越えてゆく生き方、生きる姿勢を身につけることこそが大切だと思っています。

 そして、教育の場は家庭、学校だけに任せられたものではなく、そこにいる地域の人たち皆で育んでゆくべきだと考えます。

 「自由」を日本に紹介した福沢諭吉(ふくざわゆきち)先生は、自分勝手な人間が多くなりはしないかと心配し、「自由とは、不自由の中にあり」と警鐘を鳴らしました。

 しかし、その心配どおり時代は、はき違えられた自由が横行しているように思われます。いまいちど、自由とは何かを、どうあるべきかを考え直さなければ、との思いで自由を掲げました。

 「自らをもって由となす。」自分自身の意思に従って行動するには、自身のしっかりとした基盤が問われます。まずは、人として行うべきを行うことができて、はじめて自由があるべきだと、自由の許されなかった世の先人は教えてくれています。

 心身の力。相手を敬い感謝することで、信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけではなく他人と共に世の中に貢献しようとする、まさに「自他共栄」を、柔道を通じて自然と学んでもらえると信じています。

 家族、地域、友人、子弟間、人と人との結びつきが薄まるばかりのいま、先人の教えにならい、地域の子どもたちを育むことを実践してゆきたいと考えています。

 「郷中教育」とは、薩摩藩の城下を郷中(ごじゅう)と呼ばれる区画に分け、厳しい掟で秩序を保ち、郷中間の競争意識によって切磋琢磨を繰り返してきました。指導する仕組みはしっかりしたもので、人としてのあり方、生き方が先輩から後輩へと語り継がれていきました。

 その集団の中で、子どもたちは自らの役割を意識し、自ら考え行動する力を育み、互いに協力し合い信頼関係を築く。友人や子弟間には、強い絆が生まれました。

 また、イギリスのボーイスカウトのモデルにもなっています。

 

 相手を敬い、感謝することで信頼し合う。助け合う心を育み、自分だけでなく皆と共に世の中に貢献しようとする「自他共栄」の精神は、柔道の本来の目的と通ずるものがあります。

 放課後は、自由学舎へ来ませんか。もちろん、自由という言葉の響きどおり、子どもたちはのびのびと柔道を楽しんでほしいと考えています。気軽に、体力づくりのつもりだけでも大歓迎です。仲間もできます。よい出合いも待っているはずです。

 一歩踏み出してみませんか。何ごとにも一生懸命取り組む、勉強も頑張る、そんな骨太の子になってください。元気いっぱい子どもたちのエネルギーが、地域の光となり、皆を笑顔にさせる。皆が子どもたちを見守る、そんなあたたかな場所を作ってゆきたいのです。

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